11年間でこんなに拡大!連合・自治労と広島市民の溝

11年間でこんなに拡大!連合・自治労広島市民の溝
2012年 5月 21日 21:22《 日本 》 《広島》 <労働・雇用> <市民活動> <政治・政党> <省庁・官僚> <自治体> <選挙>
さとうしゅういち
http://www.janjanblog.com/archives/72382

「オキュパイ広島県庁!官民格差反対!広島からオキュパイ運動!」

 わたくし・さとうしゅういちの友人の商店主は、突然、ほろ酔い加減で立ち上がり、旗を振り回しながらデモ行進をするふりをして、叫びました。彼は、地域でも人望が厚い方で、ボランティア活動のリーダー格です。

 わたくしも、手をたたいて大笑いです。
「打倒・自治労広島県職労!打倒・野田総理!打倒・橋本博明衆院議員)!打倒・電力総連!」などと相づちをうちました。

 2011年秋、まちづくり・地域経済振興NPOでご一緒させていただいた商店主らとの酒席でのできごとでした。

■身勝手な連合・自治労組合員と労働運動に理解を示す商店主・・2000年頃

 時はさかのぼって2000年秋ごろ、まだ小泉純一郎さんによる「構造改革」が始まる前のころです。

 そのころのわたくし・さとうしゅういちの友人だった県庁職員(自治労組合員)の言動、そして、冒頭でご紹介した街づくりのボランティア活動をともにした商店主の言動を振り返ります。

 わたくしが当時取り組んでいたボランティア活動について、公務員(自治労組合員)はこんなことを言い出した。
「地域の中小企業なんて潰れればいい。そのほうが、物価も下がっていいじゃないか。お前のやっているまちづくりのボランティア活動など意味がない。」
 わたしは、「この野郎!我々公務員の生活は、地域の中小企業のみなさんが生産した価値によってなりたっているんじゃねえかよ!」とその友人を殴り倒したくなるほど、腹が立ちましたが、そこは、ぐっと抑えました。

一方、わたくしが、同じころ、労働組合の活動について、ボランティア活動の会議の合間に、中小企業主に話をしたときのことです。

「それはがんばってください。そういうお立場ですから。でもね、民間は厳しいことも重々わかったうえで頑張ってくださいね。」と労働運動にエールを送ってくださいました。

中小企業を見下す公務員。でも、彼らに対しても、まだ、地域の中小企業のみなさんの目は温かかったように思えます。

■デフレで官民格差拡大

その後、小泉構造改革、すさまじいデフレが広島も含む日本を覆い尽くしました。

大手企業は輸出で儲かるも、それは地方や労働者にあまり還元されませんでした。民間給与は激減する一方、公務員給与は相対的に高くなってしまいました。

そして、リーマンショック後の2009年春。今度は別の自治労役員がこんなことを言い放つ事件に遭遇しました。
セーフティネットなんてあるから県民はサボるんだ。」

セーフティネットがあると県民がサボる」と連合・自治労役員
http://www.janjanblog.com/archives/71683 

 彼は別にふざけているわけではなく、悪気があるわけでもない。大真面目でそういうことを言い放ったのです。ふざけているわけでないことは、その場の会話の雰囲気で、よくわかりました。

 自分は、若いとき、難しい試験を受かったのだから今の厚遇は当然。そんな雰囲気がありありと伝わってきたのです。わたしは、腰を抜かしてしまいました。

■ついに堪忍袋の緒が切れた商店主

 時はさらに流れて、2011年秋、広島市内でも、公務員(自治労)と中国電力(電力総連)の給料が、マツダ三菱重工と言った他の大手企業勤務者に比べてもずば抜けて高い状況になりました。

 わたくし・さとうしゅういちは、2011年1月に、自治労の「労働貴族」らの卑怯な手法により、自治労および県庁を事実上「追放」されていました。そして、既に民間企業に再就職。介護や医療施設での「経営側」の立場に立っていました。

 その2011年秋、10年以上一緒にボランティア活動をしてきた件の企業主とお話をする機会を得ました。酒席を共にしたのです。

 彼の政治に対する怒りはすさまじいものでした。まずは、地方を切り捨てた小泉自民党政治への怒り。
そしてつづいて矛先は、公務員、連合・自治労に向けられました。

「民間企業の給料(30代大卒男性基準のことか)は200万円も下がっているのに、公務員と中国電力だけはずば抜けて高い。怪しからん!」
民主党政権は、TPPで国を滅ぼす気か?!」
と大声で叫びだしました。

そして彼は、アメリカでの「オキュパイ」運動に言及したのです。

「あなたも、もう県庁は退職したからしがらみもなかろう。日本でも格差反対デモをやろうじゃないか!」

ほろ酔い加減の彼は、突然、立ち上がってのぼり旗を振るデモ行進のポーズをしながら「オキュパイ県庁!オキュパイ中国電力!」などと、と叫んだのです。わたしも、手を叩いて大笑いし、相槌を打ったのです。

■驕る連合・自治労・電力総連は久しからず!

正直、こんなことになるまで、連合・自治労・電力総連、そして野田総理橋本博明衆院議員、柳田稔元法相ら民主党はなにをやってきたのでしょうか?

連合・自治労・電力総連も、自民党小泉政治によるデフレの恩恵をうけつつ、中小企業主らを見下してきた。

1960年代頃は、自民党政権がずっと続いていました。でも、あのころは、労働運動も非正規労働者を正規にさせるなどの活動もしていたし、「国民春闘」ということで、中小企業主も含めた要求も政府に突き付けていたそうです。そういう意味で、本当に、最近、少なくとも2000年以降の労働運動は堕落しきっていました。

そして、政権交代という、格差是正に向けたチャンスも生かせなかったのです。

 デフレや円高には無策。TPPなどで、相変わらず小泉時代以来の輸出依存型経済を続けようとする野田総理ら。

 まあ、TPPで安いものが入ってきたら、民間の中小企業社員や非正規労働者は直撃を受けて給料も下がりますが、民主党の票田の正規公務員(自治労)は給料が安定しているからウハウハなのだ、という算段もあるのでしょうけど・・。 電力会社や、大手企業正社員や正規公務員の利害しか目に入っていないかのような政治が続いています。

 2000年ころはまだ、中小企業主らも、自治労に対してそんなに敵意はありませんでした。しかし、いまや、彼らは、敵意丸出しです。

 「格差是正のためには、自治労や電力総連を打倒しなければならない」という本音に広島市民の圧倒的多数もなっているのです。

わたくし・さとうしゅういちが、街頭で「なんとしても、連合・自治労・電力総連を打倒しなければ、日本は電力料金はうなぎ上りに上がり、核のゴミは、際限なくたまっていく。そして、消費税は青天井に上がる一方、市民サービスは切り捨てられてしまう。わたくし・さとうしゅういちは、連合・自治労・電力総連、その手先の野田政権を打倒する先頭に体を張って立ちます!」と街頭演説すると、フリーター風の若者や、近所の中小企業主を中心に非常に反応が良いのです。「橋下さんみたいに日本を変えてください!」とか言われたこともあるくらいです。直感的に言えば、95%の市民が、橋下徹大阪市長と連合(自治労・電力総連)では、橋下さんの肩を持つような雰囲気が充満しています。

 かつて、わたしと一緒に活動してきた連合(自治労・電力総連)の幹部のみなさん。
そして、いまや、支持率9%まで落ち込んだ民主党野田総理橋本博明衆院議員、柳田稔元法相)のみなさん。

あなた方に警告する。

今のままでは、あなた方は、必ず、橋下徹大阪市長)によって打倒されるであろう。
否、橋下徹に行き場を求めるしかない、中小企業主、非正規労働者などによって、なすすべもなく、打倒されるであろう。そして、あなたがたは、どうしてそんなことになったのか、最後まで意味を理解しないかもしれません。本当に残念なことですが。

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さとうしゅういち記者のプロフィール
さとうしゅういち(佐藤周一)。1975年11月12日広島県福山市生まれ、東京都育ち。現在の本籍地は広島市安佐南区祇園
1999年3月、東京大学経済学部卒業。2000年4月、広島県入庁。県庁時代は、労働、医療、介護、男女共同参画などの行政に携わる。一方で、反貧困、野宿生活者支援、女性、若者、非正規労働者支援、男女共同参画、瀬戸内海の環境問題などに関する活動に従事。
2011年1月31日広島県を退職。同4月10日執行の広島県議会議員選挙(広島市安佐南区選挙区)立候補、4278票を獲得するも及ばず。同6月20日〜医療・介護関係の会社員。8月1日から広島市男女共同参画審議会委員。
所属政党 民主党(2011年1月まで)→無所属→みどりの未来(2011年8月から)
2010年度・労働組合・生存のためのメーデー広島実行委員会(略称:生存ユニオン広島)委員長。http://d.hatena.ne.jp/lifeunion/
1996年〜広島瀬戸内新聞社主 http://hiroseto.exblog.jp/
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