1 就職氷河期の苦労

もちろん正社員だけが仕事ではないが、安定就労という意味で正社員としての雇用がどれだけあるのかというのは、ひとつの指針である。
日本の社会では新卒時の正社員登用が企業などでは珍重される傾向が高く、その際に就職に失敗してしまうと、後の人生にも大きく影響が出る人が多い。
具体的な話としては、筆者は、同年代が異様にフリーター率が高く、親の世代の時の話とはずいぶん違うなぁ、という印象をもっており、それは社会構造が変化したからだ、と思っていたが、
少し後の景気がふる程度回復した世代のことを意識をもって聞いて回ってみると、新卒で正社員に採用される例が、親の世代ほどではないにせよ、自分たちの世代よりは増えている年代もあり、社会構造の変化(派遣業の拡大など)だけでなく、確かに「就職氷河期」というものがあることが実感できる。
もちろん、就職氷河期であっても、著しく現象しただけであり、探せば新卒で正社員になった人はいるが、平均値としては、就職に苦労をした人が多いことは事実である。
また、このようなことを話題にする場合「氷河期世代でも自分はこれだけがんばっている」というようなことを話す人がいるが、その人が頑張るのはいいとして「平均値として苦労が多い」ことは事実であり、別の話である。

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