JANJANでもお馴染みの「さとうしゅういち」氏、立候補?--メーデー仲間のesaman記者がさとう委員長紹介

JANJANのesaman記者は、わたしたち生存ユニオン広島の仲間にとって、愛知県における、独立系メーデー仲間です。

そのesaman記者が、広島県議会議員選挙に立候補を予定している当ユニオンのさとう執行委員長を取材してくださいました。


http://www.janjanblog.com/archives/32488

JANJANでもお馴染みの「さとうしゅういち」氏、立候補?
2011年 3月 2日 18:10 《 日本 》 《広島》 【取材ニュース】 <地域> <市民活動> <自治体> <選挙>
Esaman

JANJANでも記者としておなじみの、さとうしゅいち(佐藤周一)さん。
インディーズ系メーデーなどでもよく見かける人ですが、本業は広島県庁の職員、つまり公務員をしている人でした。

一時期、JANJANの紙面をほぼ独占するほど、毎日記事を書いていましたが、さいきん記事をみないのでどうしたものかと思っていたら、なんと、:県議選に立候補するために1月末に辞職して、現在選挙活動中だそうです。


さとうしゅいち氏の元職場、広島県庁。さとう氏本人が3/2に撮影。
さとう氏は私と同年代、つまり「就職氷河期」のど真ん中の世代です。

就職氷河期とは、社会に出た時期に、新卒採用・正社員採用が非常に低迷しており、あまりよい就職先がない、あるいはそもそも就職ができず
日本社会に顕著な「新卒採用偏重傾向」の影響もあって、そのあともフリーターや期間工、住込み派遣などを転々とすることがおおくなり、世代として苦労が多い世代のことです(*1)。

そのような世代で公務員をしているにもかかわらず、選挙に立候補してしまう(公務員は選挙に出ると退職しないといけません)とは、どういうことなんでしょうか?

直接行って話しを聞きたいところですが、筆者は愛知県で、さとう氏は広島県なので、電話で取材して話を聞きました。


さとうしゅういち氏。2010年の「血のメーデーサミットin皇居」にて。
●さとうしゅういち氏の話。

Q:どうして立候補しようと思われたのですか?
A:私はいままで県庁職員として、過疎化や高齢化が進む地域で、医療や介護、男女共同参画などの仕事をしてきました。
声が届きにくい県民の声に応える仕事をしたい。
県民ひとりひとりが、生き生きできる広島県にしたいという想いの延長線上にボランティア活動、市民活動にも従事してきました。
暮らしに困っている方への相談活動や支援活動。
私は正規公務員ですが非正規労働者の裁判闘争をときには身体をはって応援もしました。
瀬戸内海の環境保護に関する活動や平和活動にも協力してきました。
自分は東京育ちですが、美しい瀬戸内海を守りたいという気持ち、平和への想いは地元の方に負けないと自負してます。
ですが最近、従来の政治には大きな限界感じています。
政治を大きくチェンジしないといけないと思い、立候補しました。

Q:「従来の政治に感じた限界」とは、具体的にどのようなものですか?
A:政策や意思決定、方針などが大きい組織に左右されることです。
大きいところに属しいていない人の意見などは反映されない。
たとえば、本当に困っている、立場の弱い人の意見は通らずに、大きな組織に属している人の意見が通ってしまったり、大きな組織の意向を反映した意見が通ってしまったりすることです。

Q:どのような選挙活動をする予定ですか?
A:政党や労組などの大きな団体の組織的支援もなく、個人からのカンパとボランティアだけに頼った活動を計画しています。
立候補は広島県議会議員選挙(4月1日告示、10日投票)広島市安佐南区選挙区で行う予定です。
政治が一部のお金がある人や組織の方ばかり向いているから、県民ひとりひとりの声が届かないのです。
私は、お金も地盤もないからこそ、県政を県民の皆様に身近なものにできると思っています。
毎日、自転車で安佐南区内各地を回りながら訴えています。

Q:立候補にあたって、周囲の反応はどうでしたか?
A:「暴挙だ!」「もったいない!」と友人から止められたり、女性の師匠からは「目から火が出るほど」怒られました。
それでも広島県議会や政治を県民に身近なものにチェンジするために活動したいと考えました。

Q:今回の選挙にあたり、民主党を離党された理由はなんですか?
A:私は2007年に民主党に入党しました。
当初は私は、政権交代を支援することで、政治をチェンジできると考えていました。
ですが政権交代が実現しても、国民の生活が第一であったはずなのに、そうではない政策が続いているように思います。
環境問題などでも、原発などは推進せずに、もっと自然エネルギーを活用したものになるかと思っていましたが、あまりかわっていません。
一部では、自民よりもひどい部分もあったりします。
派遣法改正は棚上げになったままですし、増税案ばかり出ているようにも見えます。
このような状況ですから、自分自身が無党派県議会議員としてまず広島県議会を変えようと思いました。
民主党の幽霊党員でいつづけることは可能でしたが、私は以前に、無所属と銘打ちながら、自民党員でありつづけた森田健作氏を批判していますので、無党派として立候補するからには、離党してから立候補する必要があると考えました。


2009年の自由と生存のメーデー(東京)に参加する、さとうしゅういち氏。確かに森田健作氏を批判している。
Q:具体的な政策は?
A:仕事で従事してきた介護の分野では
「介護する側の家族を応援する条例を」と訴えています。

また県議会に関しては「若者を見下す県議ではなく、若者の力を地域に活かす県議にチェンジを」と訴えています。

この安佐南区民主党の女性現職は、議会で「若者は内向き」という質問をしています。
自民党の現職も「近頃の若者はなっていないからビシバシ鍛え直せ」というスタンスです。
これらにたいして私は、若者をこき下ろしても広島県はよくならない。安佐南区内に五つある大学の学生など若者が地域で活躍すればお年寄りも喜ぶと思います。
具体的には、空き店舗などを利用して地域の野菜を調理するレストランなどを学生さんにやったもらったいいと思っています。

安佐南区にはハローワークがないので、失業の身には遠く可部や都心への交通費はばかになりません。
安佐南区総合福祉センターにハローワーク職員や県の職員を配置し、職探し、健康相談、住まい探しをワンストップでできる仕組みをつくりたいと考えています。

広島県は、気候風土も多様でものづくり技術も進んでいる。環境に優しいエネルギー革命を是非広島からすすめたいです。上関原発はいらないです。

 ◇◇◇

組織もお金もないさとうしゅういち氏が、無党派県議会議員として当選し、県庁に帰還できる日はやってくるのでしょうか?

どうなることか、大注目です。

 

「自由と生存のメーデー2009(東京)」の後の交流会で調理する、さとう氏。手つきはビミョーである。

さとうしゅういち氏から送られてきた「本人近況(右)」。似顔絵イラスト(左)は、ひょろりと背の高い、さとう氏の特徴をよくつかんでいる。