広島県知事・湯崎英彦さんの育児従事を歓迎し、大阪府民のみなさんには心からお見舞い申し上げます

橋下知事に「大きなお世話」と反論

わたくし、さとうしゅういちの上司である広島県知事・湯崎英彦さんが、もうすぐ、第三子が生まれることを受け、「子育て休暇」を取得することを表明しました。

毎日のように一日中休むわけではなく、上の子の幼稚園の送り迎えや、家事などに、必要に応じて、公務と調整しながら従事するというものです。

詳細は、以下の記者会見をご覧ください。

http://www.pref.hiroshima.lg.jp/page/1287453118863/index.html

もちろん、湯崎さん(本人のご希望に応じてこのようにお呼びしています。)は、ご自身が率先してイクメンをしつつ、中小企業を中心に育児休暇を男性も取りやすいよう、支援する政策
も打ち出す、と記者会見で表明しています。

ところが、これに対して噛み付いたのは大阪府橋下知事。「世間を知らなすぎる」とおっしゃいました。

これに対して、湯崎さんが、反論しました。

以下の読売新聞の記事にその顛末があります。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101021-OYT1T00917.htm?from=rss&ref=mixi

イクメン知事、橋下知事に「大きなお世話」
 地方行政
 男性首長に「育児休暇」取得の動きが広がっていることをめぐり、大阪府橋下徹知事が21日、「世間を知らなさすぎる」などと批判したことに対し、第三子誕生後の取得を表明している広島県湯崎英彦知事は同日、「大きなお世話だ」と反論した。


 橋下知事は「休もうと思っても休めないのが日本の現状だ。世間が育休を取れる環境をしっかり作るのが政治、行政の役割。首長は最後に取っていくのが筋だ」などと指摘。湯崎知事は「見解の相違」としたうえで、「県でもいろいろな方法で、育児休暇を取りやすい環境作りを進めており、(自身の取得も)その一環のつもりだ」と語った。

(2010年10月21日21時16分  読売新聞)

ハッキリ申し上げます。

まず、橋下さんは湯崎さんらの揚げ足取りをしているだけではないのか?湯崎さんは、民間に対しても支援をして行く、とおっしゃっています。

実態もよく見ないで、あれこれ言うから「大きなお世話だ」と言われるのです。

イギリスだって、かつて、ブレア首相が、短期間ながら育児休暇を取得しました。世界的に見ても珍しい事はない。湯崎さんの育児休暇は、しかも、部分休業的なニュアンスのものです。

■伯父上の筋違いなご立腹にあきれ返る

さらに、頭の痛い事件がありました。普段は連絡もしてこない伯父(70代)が、殺気だった声で電話をしてきました。しかもわざわざ、わたしの携帯電話番号を祖母に聞いてかけて来るありさまでびっくりしました。

伯父は、「知事はけしからんじゃないか。『何が大きなお世話だ?!民間は育児休暇など取れないのに』」「どうやったら知事に意見が言えるのか?教えてくれる。それ
からあんたからも言っておいてくれ」「あんたも東大をでているのにあんなバカな知事に使われることはなかろう。辞めて東京に帰ったほうがいい」などと最後はわけの解らないことを言い出しました。

呆れ返って「インターネットのホームページから意見をいえば良いんじゃないの」などと申し上げましたが。

ただ、伯父はやはり年配者にありがちな権威主義だと思いました。潜在的広島県知事より大阪府知事のほうがえらいと思い込んでいるから今回のような発言になったのでしょう。

それから、子育ても大事な仕事、という観点がない。

だから、子育て従事は、楽だろう、サボっているだけだろう、などという考えが潜在意識にあるのでしょう。

わたしも小学生時代、7歳下の妹を背負って留守番なんてありましたがそれこそ背中に大便をされるなど、大変だったことを記憶しています。

これは、まあ、ハッキリ申し上げて、全て家のことは妻にお任せ、というケースが多かった年配の男性にいまさら認識を改めろといっても徒労に終わるだけのケースが多い。

ただ、問題は、そういう年配の男性が、往々にして、地方自治では力を持ち、市議や県議などに何期もいすわり「痴呆痔恥」(田中康夫さん曰く)を醸し出しているところでしょう。来年の統一地方選挙では、「年配の男性のエライヒト」ばかりの議員を新陳代謝しなければなりません。

ハッキリ申し上げます。育児のための勤務時間短縮程度もできない国なら滅ぶしかない、と思います。

そういう職場は結局は介護とも両立しにくい。今や、中高年の社員が介護との両立に悩んで男性でも結構辞めてしまう例も増えています。ただ、その結果経済的に追い詰められ、結局虐待などという悲劇も多発しているのです。

■無益な感情論で子どもは幸せにならない

橋下知事の言動に、わたしの伯父も溜飲を下げてしまった。しかし、橋下さんのような言動は、自分の支持率を上げるには役立つが、社会の改善は進めないものだと思います。

人々の暮らしが苦しい中、刹那的に他者をぶったたいて溜飲を下げてもらう橋下知事タイプがうけてしまいがちです。しかし、それではよくならないのは、小泉純一郎さんで証明済みです。

本当のことをいえば、わたしが所属する民主党だって、事業仕分けなど「こりゃ、乱暴じゃねえか」と思うことがありますよ。でも、よくない。

今は、湯崎さんのようなタイプの政治家こそ勇気がある政治家だと思います。子育てに従事し、子育ての大変さも喜びも(子どもがいないわたしにはあれこれいえませんが)うまく、県政にいかしていただければいいと思います。

隣の岡山県では、わたしはボランティア活動中に、二、三歳の、娘さんが二十歳位のご両親とともに野宿を強いられているのを目撃しました。湯崎さんが、育児休暇を取らなかったら彼女のように困った子どもが救われるかといえばそれは違うでしょう?橋下知事のいうことは単なる感情論。

わたくしは、広島県民でよかったと思うし、湯崎さんが上司でよかったと思います。伯父上には、広島県民であることをもっと誇りに思っていただきたいものだ。愛県心が足りないのではないのか?と思います。

一方、橋下さんをあと一年三ヶ月は最低でもトップにいだくであろう、大阪府職員や大阪府民のみなさんには、皮肉でなく、心からお見舞い申し上げます。