ギリシャ=日本と言う大嘘を信じる二大政党党首

菅総理の功績は、「日本がすぐ財政破綻する」という言説が、嘘だと証明してしまったことでしょう。

菅総理は、「日本はこのままでは1、2年でギリシャのようになってしまう!」などと極論を叫んでしまいました。
それにより、国民の少なくない方も「すぐに消費税が上がるのか?」とびっくりした。

その数日後、IMFでさえ、「日本の財政には差し迫ったリスクはない」と、結果的には菅発言を斬ってしまった。

日本の財政「差し迫ったリスクない」 IMF専務理事2010年6月29日13時45分


 【ワシントン=尾形聡彦】国際通貨基金IMF)のストロスカーン専務理事は28日、朝日新聞など一部アジアメディアの共同インタビューで、日本の財政の持続性について「日本の公的な資金調達で、差し迫ったリスクがあるとは思わない」と述べた。

IMFとは、泣く子も黙る「緊縮財政」「新自由主義」押し付けを世界中でやってきた組織です。韓国、メキシコなど多くの国が、IMFに緊縮財政を押し付けられ、国民は泣いた。そのIMFでさえも、差し迫ったリスクはない、というのですから。

ギリシャのように、外国のヘッジファンド(すぐ逃げる)が、国債保有しているわけでもない。だから、国債暴落の可能性は薄い。さらに、日本は対外的には純債権国です。IMFの指摘は当然です。

さらに、日本共産党まで、菅発言をバッサリと斬りました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-02/2010070206_03_1.html

財政再建主義そのものを共産党が正面から斬った言説は、わたしは始めて拝見しました。それまでは「消費税増税反対」とか「消費税は法人税増税の穴埋め」といった言説は拝見したのですが、正面から「財政再建至上主義」を斬ったものはわたしの知る限りあまり共産党からも伺いませんでした。

総理はまさに、寝た子を起こした。

総理の発言を端緒に起きた一連の騒動のおかげで、日本人の中で「まず、当面は景気をよくすることが先」と認識できた方は少なくないと思います。

いままで、いくらわたしが「まず、景気をよくすることが先だ」と叫んでも、相手になかなかされなかった。本当に歯がゆかった。

「景気が悪い方が、ダメな企業がつぶれ、日本は良くなる」と信ずる小泉純一郎さんの支持者がおられました。しかし、なんてことはない。小泉政治の結果、むしろ人々は、ブラックな企業で働くしか選択はなくなったのが実態ですよ?!

  景気が悪い方が環境にいい、などとのたまう、一部の左翼の方。冗談じゃない。企業を受け入れている市町村では、不景気だからこそ、撤退を恐れ、環境関係の指導に及び腰になっているんですよ?!

 また、現実にある大手企業敷地の空気が以前より臭い、という声も聞きます。不景気で環境対策に手を抜いている疑いがある。

景気がよくなったら、インフレで、貯金が目減りするから困る、という年配者。

デフレなら、お子さんやお孫さんが就職できなくて困るのではないですか?現に、その方のお子さんは就職が決まらずに大変そうでしたよ。なんで、デフレを肯定するんだ?!

 そんなはがゆさを感じてきました。

 もちろん、社会保障や雇用のあり方は見直さないといけない。時代にあわせた見直しは当然です。
公共事業も都会の大手にメンテナンスが行き、地元には負担がのこるだけ、みたいのが多かったのも確かで見直しは必要だ。

  でも、日本には、「単純に景気をよくすること」を避けるような風潮が政界にも言論界にも蔓延してしまっていた。むしろ「景気を良くしよう」ということが、勇気がいる状況になってしまった。

総理はある意味、財政再建至上主義者にとっては「無能な味方」だったのでしょうね。

いや、枝野幹事長が企業団体献金を受け取らないことを決めたことなどはわたしは評価していますよ。これから、秋には特別会計に切り込むのも大賛成です。

でもね、残念ながら、菅総理は、マクロ経済政策は全然駄目です。

ただ、では自民党総裁の谷垣さん(わたしにとって、中学・高校・大学の大先輩。母の元同僚弁護士)はどうか?実を言えば、菅さんよりも谷垣さんのほうがわたしにとっては接点があるんですよね。

「日本はギリシャとは違う」ことが理解できない菅直人と谷垣禎一(kojitakenの日記)をご覧ください。

谷垣禎一(さだかず)公式サイト:tanigaki sadakazu:自由民主党衆議院議員 を見ると、下記のように書かれている。

今、多くの方が、恒久財源が用意されていないバラマキのマニフェストによって、日本がギリシャになってしまうことを心配しています。バラまきはすぐやめて、私たちはきちっと財源を確保し、財政再建にも目配りをしながらやっていく。このことをはっきりさせて公約を打ち出そうということであります。

谷垣先輩!駄目ですよ!

(さとうしゅういち)