何が仙谷由人を「巨悪」にしたのか?【原発再稼働・輸出】

何が仙谷由人を「巨悪」にしたのか?【原発再稼働・輸出】

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2012年 4月 20日 22:25《広島》 《福井》 カテゴリーなし <労働・雇用> <原発> <政治・政党> <選挙>
さとうしゅういち

原発全面停止は集団自殺」などと国民を脅し、「サイレントマジョリティーは発言しない」などと完全に国民をなめきっている仙谷由人政調会長代行。閣僚でもないのに、大飯原発再稼働をめぐる閣僚会議を仕切っておられます。また、仙谷さんはベトナムなどへの原発輸出にも奔走されたことは記憶に新しいところです。かつての左翼の闘士・仙谷由人は、今何処。原発推進の黒幕、「巨悪」と化しています。

昔は、自治労組織内の弁護士としてクリーンイメージで売り出した仙谷さん。1990年当時、リクルート事件が問題となる中、竹下登さんら大物自民党政治家の腐敗を許さないという空気に乗じて初当選された仙谷由人さん。当時のポスターは「巨悪を断つ」というものでした。

なぜ、いま、彼自身が、ここまで「巨悪」になってしまったのでしょうか?

仙谷さんの転落は、ご出身労組・自治労の動向と連動している。このように、同じく過去自治労民主党に所属したさとうしゅういちは考えています。

そもそも、仙谷さんを組織内議員としている「自治労」の組合方針は「脱原発」です。ところが、その仙谷さんがラジカルな原発推進である。ここに大いなる矛盾があります。

その矛盾の背景には、「連合内部の選挙協力」があります。

2009年秋、わたしは、自治労広島県職労幹部から東京で行われる「エネルギー政策転換を求める集会」への自治労広島県本部代表として出席してほしいと打診を受けました。

わたしは、当時は熱心な支部の執行委員でしたから、二つ返事で受けました。ただ、そのときの、組合幹部の言葉が引っかかりました。

「電力総連と自治労も協力関係にあるので、脱原発とか過激なことは言えない。」

今にして思えば、当時から民主党内で脱原発や反貧困などを「過激」に叫んでいたさとうしゅういちをけん制する発言ともとれなくもありませんでした。

さて、東京での集会に参加したわたしは、組合の執行委員会でイベント参加の報告をしました。件の幹部は「いまは、中国電力労組との協力関係が(自治労も)あるので、なかなか、難しい」という感想を会議で出しました。

なぜ、そういうことを、自治労幹部が言ったのでしょうか?

それは、連合内部の選挙協力です。すなわち、自治労の組織内の県議や市議が、電力総連の応援をもらう。国政レベルでも、自治労の組織内候補が電力総連の推薦をもらう。そういう関係にあるのです。

だから、逆に、自治労が、連合の他の労組、例えば基幹労連なり、電力総連なりの組織内候補を推薦している場合には、自治労組織内候補以上の締め付けをする場合もあります。

なぜかといえば、自治労の先輩議員が票を他の労組からもらわないといけないときに、自治労内部で「反乱」があると、「取引」が成立しないからです。

2010年の参院選でわたしは、民主党の連合組織内の柳田元法相ではなく、連合推薦のない中川けいさんを支持しました。その際も、自治労県本部の当時の副委員長が何度もわたしの職場まで電話をかけて圧力をかけるなど、恫喝をしてきました。この事件にも「連合内部の選挙協力」という背景があるのです。

自治労幹部は自治労組合員よりも、他の労組幹部の顔色をうかがう。これが実態です。「組合員の利益」より、「労働貴族の談合が第一。」これが自治労の実態です。

そういった構造の上に、自治労ご出身の仙谷元官房長官が電力会社ズブズブの政治を行い、まさに「巨悪」と化しているのです。「自治労」と「電力総連」という、労働貴族同士のもたれあいが、大飯原発再稼働暴走を招いているのです。

次期国政選挙においては、「労働貴族の生活が第一」の政治を終了させ、国民の暮らしと安全を体を張って守る政治家を一人でも多く国会に送らねばなりません。

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さとうしゅういち記者のプロフィール
さとうしゅういち(佐藤周一)。1975年11月12日広島県福山市生まれ、東京都育ち。現在の本籍地は広島市安佐南区祇園
1999年3月、東京大学経済学部卒業。2000年4月、広島県入庁。県庁時代は、労働、医療、介護、男女共同参画などの行政に携わる。一方で、反貧困、野宿生活者支援、女性、若者、非正規労働者支援、男女共同参画、瀬戸内海の環境問題などに関する活動に従事。
2011年1月31日広島県を退職。同4月10日執行の広島県議会議員選挙(広島市安佐南区選挙区)立候補、4278票を獲得するも及ばず。同6月20日〜医療・介護関係の会社員。8月1日から広島市男女共同参画審議会委員。
所属政党 民主党(2011年1月まで)→無所属→みどりの未来(2011年8月から)
2010年度・労働組合・生存のためのメーデー広島実行委員会(略称:生存ユニオン広島)委員長。http://d.hatena.ne.jp/lifeunion/
1996年〜広島瀬戸内新聞社主 http://hiroseto.exblog.jp/
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