「時代遅れの年配者」と「青年将校」だけでは不毛だ

今の政治の流れをみていると、
年配のエライ人の時代遅れな政治→生きづらい世の中→反動で青年将校的な政治家がバカ受け→しかし、暮らしは良くならない→ますます、青年将校的な政治家バカ受け(一部の人は時代錯誤な年配者に回帰)→暮らしは良くならない
の悪循環にはまっている様に見えます。

つい最近まで政権の座にあった自民党。いってみれば、高度成長(長くみてバブルくらいまで)と冷戦を前提とした反共の利益分配団体、ないしは集団指導体制による開発独裁政党だったと言えるでしょう。

政治家や官僚が大手企業を優遇する。そうすれば、自動的に地域も潤う。企業が、世帯主としての男性正社員を抱える(企業内福祉)。そんなモデルでよかったように見えた時代は確かにありました。バブル崩壊まではです。

しかし、そんな時代は終った。そうすると、従来のモデルに当てはまらない人が増え、企業内福祉ではカバー出来なくなった。

民主党自民党よりは実は、その点は進んでいる。子ども手当は確かに、大手企業正社員や公務員の家庭でなくても、子どもにある程度お金を回せるようにする。高校無償化もしかり。親の収入で教育が左右されないようにすることがこれからは大事になる。

方向としてはただしい。ただ、余りにも古い体制が続きすぎていた。ツケはあまりにも大きすぎた。

高校無償化も授業料無償化だけでなく、PTA会費とか部活費、通学費などの負担も軽減するものでないと、本当に困っている子どもたちにとっては恩恵が薄い。

また、そもそも、経済的に厳しくて結婚どころではない人も多い。いまや三十代前半の男性の半数、女性の三分の一は未婚という時代です。そうなると、子ども手当より、ベーシックインカムまで踏み込んでしまったほうがいいくらいの状況でしょう。

しかし、民主党も古くさい気風が残っている。中山義活経済産業政務官などは、世界から起業家の女性が集まっている国際会議の場で、呆れた発言をしてしまった。

国際会議だけではない。わたしが、ある民主党の国会議員の秘書(一番上席)に、「ある介護現場で男性が女性ばかりの中でパワハラにあっているのだが」と相談したところ「まあ、女性に介護してもらったほうが治りはいいですから、しかたないんじゃないですか」的なことを言ったので、腰を抜かしてしまいました。

他の先進国よりは遅れているといっても、女性で社長をやる人、男性で介護員をやる人がいるのは、もう当たり前の世の中になっているのに、中山議員も、秘書の方も何を寝ぼけたことをいっておられるのか。

問題は、その反動で、今度は、古いものをぶった切るように見える青年将校がウケることでしょう。

例えば、大阪府橋下徹知事。名古屋市の河村市長。

民主党政権が行った事業仕分けにも「何かをぶった切って溜飲を下げてもらう」面があります。

時代遅れな年配者も、青年将校も困り物です。